蛇も人間と同じようにくしゃみをする。そして場合によってはよだれを出す。今日はくしゃみの頻度が多いコーンスネークのランとボールパイソンのシュウの話。
ある日突然蛇がくしゃみをした
ランとシュウのがくしゃみをするようになった時の状況をそれぞれまとめた。
コーンスネークのくしゃみ
今から3年くらい前、ケージから変な音が聞こえたのが最初だった。気になってへびたちの様子を見たけど分からず、その時は放っておいた。
それから、半年何もなかったんだけどまた音が聞こえた。2回目のときはちょうどくしゃみの瞬間を目撃できたので、音を出したのはランだということが分かった。
他のコーンスネークは鳴らさないような音なので心配にはなったけど、とりあえず様子見ということでそのままにしておいた。このときはくしゃみなのかしゃっくりなのか分からないままだった。
そして、それから3ヶ月後またランがくしゃみを出した。今度は口からよだれを出していた。
こんな感じ。よだれを垂らしていたというか膨らませていたといった方がいのかもしれない。人間のように液体ではなく丸くて白い粘着質だ。
人の場合で考えるとしゃっくりでつばやよだれが出る人はあまりいないので、これを機にランの症状はくしゃみなんだろうなと思うようになった。
蛇のくしゃみの音は個体によって違うのかもしれないけど、うちの場合は人間より高音で出している。最初の頃は何の音なのか全く見当がつかなかったくらいだ。
今は定期的に聞くようになったので、聞くとすぐにわかる。具体的に言うと人間のしゃっくりのような音。「キュッ」とか「キャッ」とかそんな感じ。
1度出すとそれから数分おきに合計2~3回出す。確認できた範囲では、3ヶ月~半年に1回のペースで出しているが、もしかしたら自分が見ていないところでも出しているのかもしれない。
目撃した時は季節の変わり目だったので、もしかしたら風邪の症状だったのかもしれない。
ボールパイソンのくしゃみ
ボールパイソンのくしゃみは大きな呼吸音から始まった。よく蛇が威嚇するときに出すような「プシューッ」と言った音だ。
その時は、「触ってないのになんで威嚇してるんだろう。何か気にくわないことでもあったのかな」「もしかして人に見えない何かがいるのか(怖)」程度に思っていた。
2週間の間に2~3回そのような音を聞いて以降はおとなしくなったので安心していたが、それから数ヶ月してまた呼吸音が聞こえるようになった。この時は呼吸音というよりは「プシュッ、プッシュッ」とくしゃみのようになっていた。
頻度も増えたことから尋常じゃないと思って様子を見に行くと見た目には特に変化はなく、そのまま数分後にとぐろを巻いて眠ってしまった。
爬虫類病院での診察
ランの時もシュウの時も心配だったので爬虫類病院で診てもらった。内容は、触診、口内チェック、レントゲン。
結果はどちらとも異常なし。何かのヒントになるかもと思い、ランのよだれの写真(上の画像)を見せたけどよくわからなかったようだ。
シュウの場合は病院に行く数時間前まで呼吸音やくしゃみを出していたのに、先生の前では全く出さなくなったので確認してもらうことができなかった。
2匹ともマウスロットの心配もないし、呼吸器の異常もないということだったので、とりあえず様子見ということになった。
ランはあれから2年、シュウは半年経つけど今のところ元気にやっているので個人的にはあまり気にしていない。いまだにくしゃみは続いているけど。
くしゃみだけじゃなく呼吸音がするときも要診察
蛇はくしゃみをするときに変な呼吸音を出すことがある。あえて言葉にするなら「シューシュー」だったり「ピーピー」だったり。変な呼吸音がしたら呼吸器系の病気の可能性が高くなる。
呼吸音が聞こえる症状はコーンスネークよりボールパイソンに多い。普段、顔を上に向けるようなしぐさをしたらより呼吸器系疾患の可能性が高くなる。蛇は、呼吸器系に問題を抱えた場合、上を向いた方が呼吸が楽にできるからだ。
今回、ボールパイソンのシュウは何事もなかったけど、先生には呼吸は普段から気にしてあげてと言われた。
蛇のくしゃみから考えられる原因
蛇のくしゃみは症状が出る頻度によって、病気かどうか判断されることが多い。数日に1回だけ出すという程度で、ごはんもしっかり食べているなら病気である可能性は低い。
しかし、毎日のようにくしゃみするならすぐに病院に連れていくことをおすすめする。数分に1回の頻度で出す場合には、何か重い病気にかかっていることがある。
蛇がくしゃみをする原因として考えられるものは主に3つある。
呼吸不全や肺炎
蛇のくしゃみの症状は、呼吸不全や肺炎によるものが一番多い。その原因は、ウィルスや不衛生な飼育環境による感染症など。どちらも投薬治療になるけど、細菌よりウィルス性によるものの方がシビアで、治る可能性はぐんと低くなる。
くしゃみの症状が続くとさらに症状は悪くなり、口の中の粘液が増えて、口を開けて泡を吹くように呼吸するようになる。
マウスロッド
次に考えられるのはマウスロットだ。
マウスロットとは、餌を食べるときやどこかに頭をぶつけてしまった時などに口腔内に傷ができ、そこから菌が入って発症してしまう病気のこと。
病気が進行してしまうと餌を食べなくなり、さらに水も飲めなくなるため最悪の場合死んでしまうこともある恐ろしい病気だ。
症状としては、くしゃみの他に、「あくびの頻度が増える」「よだれを出す」など。
マウスロットかどうかは蛇の口の中を見るとすぐにわかる。唾液でいっぱいだったり、ねばついたり、膿がたまっていたら、可能性が高い。(というかこういう症状であればマウスロットでなくても、病院で治療する必要がある。)
病院では、膿を出して消毒し、抗生物質の投与という流れで治療していく。
脱皮不全による呼吸障害
最後に考えられるのは、脱皮殻が残っているせいで呼吸がうまくできていない可能性。
これは物理的な理由になるけど、顔の脱皮がちゃんとできてなくて、鼻の穴をふさいでしまっているときに起きる。
蛇自身も気になっているので、シェルターなどに鼻をこすりつけて自分ではがすことも多い。
が、しかし、それでも取り除くことができないこともあるので、蛇がくしゃみの症状をだしたら鼻の周りに殻が残っていないかチェックしてあげよう。
もしついていたら、温浴をさせて殻を柔らかくしてから、そっととってあげるとうまくいく。
蛇は床材としてよく使われる細かいウッドチップやヤシガラもたまに鼻に詰まらせてしまうことがあるので注意が必要だ。