シンの黄緑色のフン(尿酸)と神経障害が気になったので病院で診てもらうことにした。いつもは触診だけだったけど今回は思い切ってレントゲンと血液検査やってもらった。
コーンスネークのレントゲン検査
まずはレントゲン検査から。以前ランも一度レントゲンを撮ってもらったことがあるんだけど、やっぱり蛇の骨は何度見てもきれいだ(゚Д゚)イメージとしてはこんな感じ。
骨が足に見えるのでヤスデやムカデが苦手な人は気持ち悪いかもしれないが・・・。シンの場合は特に折れたりかけたりしているところがなくきれいだった。
骨の他にも内臓が写ってて一つ一つ確認してもらった。ちなみにヘビの内臓はこんな感じになっている。
口から診ていくとすぐに心臓があって肺が2つ。蛇には心臓肥大という病気もあるけど、シンはとくに問題はなかった。
そして肝臓、胃、胆のう、小腸、大腸と続いていく。胃、小腸、大腸がきれいなヘビは先生もあまり見たことがないらしく、「きれいですね~何も入ってない。」って(笑)
そりゃあ、月に1~2回ピンマ1~2個しか食べてないからね( ;∀;)しかも、病院でうんちしたら申し訳ないと思って部屋んぽで出せるだけ出してもらったし。
そういえば自分も2週間前ニフレック飲んで大腸をきれいにしたけど、内視鏡で見たときは何もなくてきれいだったな・・・・(ノ∀゚)σ・・・なんて思い出したり。
シンにはもうちょっと食べさせるようにしよう。
コーンスネークの血液検査
レントゲンは問題なかったけど、血液検査はちょっとだけ異常が見つかった。黄緑色のフンの原因もここで分かった。
ちなみに採血は尻尾の裏側から。特に麻酔などはしなかった。
シンの血液検査の結果
シンの血液検査の結果はこんな感じだった。
(勝手にネットにさらしてごめんね。。)
検査項目 | 検査結果 |
---|---|
GLU(血糖値) | 48(mg/dl) |
BUN(尿素窒素) | 1.1(mg/dl) |
UA(尿酸) | 9.2(mg/dl)↑ |
IP(リン) | 3.3(mg/dl) |
Ca(カルシウム) | 16.0(mg/dl) |
GOT/AST | 9(U/l) |
GGT | 4(U/l) |
ALP | 59(U/l) |
NH3(アンモニア) | 263(㎍/dl)↑ |
TP(総たんぱく質) | 7.7(g/dl) |
ALB(アルブミン) | 2.6(g/dl) |
TCHO(総コレステロール) | 450(mg/dl) |
TG(中性脂肪) | 156(mg/dl) |
Na(ナトリウム) | 156mEq/L |
K(カリウム) | 4.1mEq/L |
Cl(クロール) | 119mEq/L |
爬虫類には人間のようにそれぞれ正常値はなく基準値で診ていくことになる。しかし、フトアゴヒゲトカゲやリクガメ、ボールパイソンには調査したものがいくつか公開されているのに対して、コーンスネークは残念ながら今のところ(公には)何も出ていない。
今回の血液検査では、UA(尿酸)とNH3(アンモニア)が基準値を超えていた。
血液検査のそれぞれの数値解析
血液検査でいろいろとわかる項目の中で主要なものについてその内容や不足・過剰の原因をまとめてみた。
TP(総たんぱく質)
TPの主成分はアルブミンとグロブリンで人間にとっての基準値は6.5~8.2g/dlになるが、コーンスネークの場合はこれよりやや低くなる。ただ、4g/dlを下回ると基準値から外れる。
TPは肝臓で作られるため、肝臓に何か問題があると数値が下がる。また、栄養失調や消化管内寄生でも下がることがある。逆に、脱水や高脂血症を起こすと数値が上がる。
TP(総たんぱく質) | |
---|---|
人間の正常値 | 6.5~8.2g/dl |
ボールパイソンの基準値 | 4.8~8.6g/dl |
シンの結果 | 7.7g/dl |
わざわざ人間の正常値を出す必要ないけど個人的に気になったので比較してみたァハハ(・∀・`。)
UA(尿酸)
UA(尿酸)とはたんぱく質の一種でもあるプリン体が代謝された後の残りかすのことを言う。人間の基準値(正常値)は2.1~7.0mg/dlで、コーンスネークの場合は意外と人間と同じで7.0mg/dlを超えると基準値より高いとされる。
ちなみにシンの場合は今回9.2mg/dlだったので獣医からもやや高いと診断された。今はまだ治療するほどではないけど、もしこのまま上がり続けると、腎不全になり自動的に痛風になってしまうとか(৹˃ᗝ˂৹)
ヘビには痛点がないといわれているけど実際のところはどうなんだろう。人間の場合はものすごく痛いっていうよね。。痛風だけは絶対に阻止せねばならん!
(今は、痛風対策の一環としてたまに部屋んぽをさせている。)
コーンスネークの尿酸値が高くなる一番の原因は餌の量と内容。肉食性爬虫類は草食性爬虫類よりも高い傾向がある。食事の直後だと通常より2~3倍高くなることがあるので、採血数日前は何も与えないことをおすすめする。
ただ、シンに当てはめると餌は関係ないような気もする。今は月に3~5個のピンクマウスしか食べてないから。もしかしたら、ピンクマウスは栄養価が高いから量が少なくてもそればかりではダメなのかな。
それとも、アダルトマウスをモリモリ食べていたころはかなり尿酸が高くてやっとここまで下がったってことなのかな。来年以降もう一度血液検査をしてもらったほうがいいかもね。。
あとは、適度な運動も必要ということなので、シンにはこれから頑張ってもらおうと思う( ̄∀ ̄)ウシ
UA(尿酸) | |
---|---|
人間の正常値 | 2.1~7.0mg/dl |
ボールパイソンの基準値 | 1.2~14mg/dl |
シンの結果 | 9.2mg/dl |
NH3(アンモニア)
アンモニアはたんぱく質の代謝の過程で作られて肝臓で尿素へと合成されて排出されるもの。なので、肝臓や腎臓に何か問題があると数値が高くなる傾向にある。
トカゲやリクガメの数値が30~60なのに対してシンは263もあったので心配だ。
ただ、尿酸値とアンモニア以外の数値はすべて標準値に収まっていたのでしばらくは様子見ということで落ち着いた。
蛇の緑色のフンと神経障害の結論
緑色のフンと神経障害について今後どうしたらよいか獣医に聞いてみた。どちらも映像があったので一緒に見てもらった。
緑色のフンはやはり肝臓機能が影響していた
フンが黄緑色になる理由はいくつかあるんだけど、一番多いのが胆汁便と呼ばれる症状で、胆汁を作る肝臓の機能が低下しているときに起きるようだ。
シンの場合は尿酸が黄緑色だったのでそこまで重症ではないようだが、うんち自体が緑色だと命を落とすような重度の肝疾患ということもあるという。
レントゲンで見た限りでは肝臓はきれいだったんだけど、やはりアンモニア量も多いので注意しておかなければいけない。
あと、肝機能の低下以外にも餌の量が極端に少ないへびも黄緑色のフンをするとのことなので、小食のシンにとっても原因の一つかもしれない。
コーンスネークの神経障害は少ない
神経障害とは平衡感覚が低下する病気で主にボールパイソンのスパイダーを持つモルフに発症する。基本的に先天性のものでコーンスネークが発症するのは稀なので、シンはそれには当てはまらい可能性が高いと診断された。
ただ、動画を見てもらうと普通ではない動きをしているので、しばらく様子見ということになった。ちなみに動画の内容は、急にひっくり返ったり鼻先を数秒にわたって押し付けてペットシーツをぐちゃぐちゃにするというもの。
神経障害は先天性が主ではあるが、肝機能の低下により起きることもあるのでやはり肝臓が弱っている可能性は高いと言える。
あとは、フンをした直後に変な動きをすることが多いので、高血圧による興奮状態の可能性もあると。顔には出さないけどへびもフンをするときいきんでいるようで、人間ほどではないけど多少血圧が上がっているようだ。
蛇のレントゲンと血液検査の費用
最後に、今回の診断でかかった費用をまとめる。
診療項目 | 単価(税込) |
---|---|
再診料 | 880円 |
採血量 | 550円 |
ヘマトクリット検査 | 880円 |
生化学検査 | 9,350円 |
X線検査(2方向) | 5,500円 |
合計金額 | 17,160円 |
- ヘマトクリット検査
ヘマトは血液、クリットは分離のこと。この検査で血液中に赤血球が占める割合がわかる。へびの基準値は16~21%。基準値を下回ると貧血状態ということになる。シンは20%だった。 - 化学検査
血液から化学成分を測定することで、様々な臓器が正常に動いているか、逆に異常はないか調べる検査のこと。今回は全16項目調べてもらった。 - X線検査
レントゲン検査のこと。撮影することで骨が折れていないか、内臓が変形していないかなどがわかる。ヘビは長いので2枚撮影することとなった。
保険がきかない分検査だけでもそこそこ費用がかかる
会計待ちをしているとき「今日は結構かかるだろうなぁ」と思っていたら予想以上の金額だった。自分が大腸内視鏡の検査をしたときは4,900円だったけど、やっぱり保険がきかない分そんなに安くはならないよね( ;ㅿ; )
帰宅後、以前他の動物病院で診てもらった時の診療明細書と比較すると、生化学検査やX線検査料はほぼ同じだったので特に割高ってわけでもなかった。
今回はいつも以上に(今までは診断料1,000円だけで済んでた)お金はかかったけど、シンがそこまで重病じゃないと分かって安心できたし、肝臓に負担がかからないようにと意識が変わったのでとても良かったと思う。
痛風もしっかり予防しなきゃ(๑•̀o•́๑)۶