蛇のハンドリングとは、蛇を安全かつ適切に扱う技術のことを言う。特にペットとして飼われている蛇や研究・教育目的で扱う場合に必要になる。
コーンスネークやボウルパイソンなど小型の蛇を飼育している人なら1度はやったことがあるのではないだろうか。
今回は、いったいどれくらいの頻度でやれば負担がかからないのか、あるいは逃げる蛇にはどうやってハンドリングをすればいいのか考えていく。
蛇はハンドリングはしない方がいい?
爬虫類はほとんどの場合人間に触れれるのを嫌う。そして、それがストレスになることもある。
そう考えると蛇にとってハンドリングはしない方がいいのでは?と思ってしまいそうだけど、個人的にはハンドリングは必要だと考えている。
いろんな理由があるけど、一番大きいのは部屋の掃除や体重測定がしやすくなること。
掃除をするときはいったん蛇をケージから出すことになるのだが、このときにうまくハンドリングができないと、蛇にさらなるストレスを与えてしまうことがあるからだ。
あとは、人間に慣らせること。特にビクビクする個体やしっぽをパチパチと威嚇してくるような個体は、今後の飼育を考えたうえでハンドリングをして慣らしておくことが必要になる。
蛇のハンドリングの頻度
蛇はどれくらいの頻度でハンドリングをするのがいいか。いろんな意見があると思う。飼い主によっては毎日しているよーってこともあるのかもしれないが、蛇へのストレスを考えるとやはり毎日はやりすぎなような気がする。
上にも書いたけど、基本蛇はハンドリングは好きじゃない。なので、できるだけ少ない頻度でやるのがベスト。
食後や脱皮前などハンドリングに向かないタイミングを考えると、ベビーなら週に1~2回がベストな頻度になる。時間でいうと3分をめどに。
大人になるにつれて頻度はそのままで(逃げ回るとかでなければ)時間はもうちょっとのばしても大丈夫だ(理想は5分程度)。
蛇のハンドリングのやり方
蛇をうまくハンドリングするにはちょっとしたコツがある。特に逃げるタイプの個体の場合は、こちらがうまくやってあげないとハンドリングが大嫌いになってしまうので注意が必要だ。
まず、ハンドリングをするタイミング。できれば動き回っているときにそのままハンドリングする方が蛇をびっくりさせないけど、ハンドリングに慣れてない人はじっとしてるときにつかむ方がやりやすい。
ハンドリングの前の蛇のつかみ方持ち方触り方については、別の記事でまとめているので一緒に読んでいただければわかりやすいのでぜひ。
蛇をつかんだ後あまり動かない場合は、そのまま手のひらの上に乗せてキープしてあげてしばらくしたらゆっくりとハンドリングを開始すると蛇のストレスが少なくなる。
もし、手に持った瞬間逃げるようであれば、蛇の行き先に反対の手を出してあげて道を作ってあげてそれを繰り返すとやりやすい。
蛇が逃げるのをやめて落ち着いてきたらペロペロしながら指に絡みついたり移動したりするので、あとは蛇がやりたいようにする。
個体によっては、何度ハンドリングをしてもずっと逃げる場合もあるので、そういう時はストレスをかけないためにもハンドリング時間は短くした方がいい。
ハンドリングはいつからOK?
新しいヘビを購入した後、すぐにハンドリングするのは避け、まずは蛇が新しい環境に慣れるまでじっくり時間をかけて検討することが大切だ。
一般的には、ヘビが環境に順応するまでに少なくとも1週間~10日ほど待つのが良いとされている。ごはんを与えて糞をした後くらいがおすすめだ。
蛇をハンドリングをしてはダメなとき
蛇にもタイミングが合ってハンドリングをしてはいけない時というのがある。糞掃除などで移動させる時は仕方ないとしても、この「ダメな時」にはハンドリングは避けるようにしたい。
お迎えをしてから約10日
蛇はお迎えをして環境が変わると神経質になることがある。このタイミングでハンドリングをするとますます神経質になりごはんを食べなくなることがあるので注意したい。
家にやってきてから数日間はそっとしてあげて、ごはんを食べて糞をするまではハンドリングはやめてあげよう。
食後から糞をするまで
蛇は1~2日かけて餌を消化する。特に餌を食べた直後にハンドリングをすると胃腸の働きが弱くなり吐き戻しの原因になることがある。
一度吐き戻すと繰り返したり拒食症になってしまうこともあるので、食後はそっとしてあげることが大切だ。
1~2日経っておなかのふくらみもなくなったらハンドリングもOKだけど、消化が完了したらいつ排泄するかわからないので、分が出るまで待った方が無難。
過去に布団の上でハンドリングをしていた時に、糞をぶちまけられてとても大変な思いをしたことがある(笑)
脱皮前
脱皮前も、蛇はとても神経質になる。ぐったりしていて目もよく見えないので、触られたらとてもびっくりする。
うちのアオダイショウも普段はわりとおとなしいが、脱皮前にケージ移動などで触ると鼻息を荒くして威嚇してくるのでちょっと怖い。
噛む気はないようだが、「やめろー」ととても怒られるので、こちらも気を使っている。
蛇のハンドリングで注意すること
蛇のハンドリングを行う際に注意しておいてほしいことがある。これを間違うと怒らせたり噛まれたりすることがあるので自分も気を付けている。
ハンドリングする前に手を洗うこと
ハンドリングをする大前提としてまずは手を良く洗うこと。蛇はにおいに敏感なので手が臭いとハンドリングを極端に嫌がってしまう。
また、マウスを触った後の手で触ると餌と間違えて噛まれてしまうことがある。すぐに離してくれればまだいいが、巻き付いて離してくれなくなったりしたら大変だ。
できるだけ低い位置でハンドリングをする
成体になるとあまりないけど、ベビーの蛇はとても小さく何かの瞬間に手からスルっと逃げてしまうことがある。なので、ハンドリングは低い位置(可能であれば床に座って)で行うのがいい。
万が一落ちてしまうと骨折など怪我をしてしまうことがあるので、低い位置で優しく触れながらハンドリングをすることをおすすめする。
蛇をハンドリングするときのポイントまとめ
ハンドリングがうまくなると蛇へのストレスが軽減され、自分的にも飼育が楽になるので早い段階で慣れておくといい。
これらのポイントを考慮しながら、蛇を安全にハンドリングすることが求められる。