蛇飼育に欠かせないアイテムの一つでもある水入れ。爬虫類ショップやショッピングサイトにはいろいろな種類のものが販売されているが、今回は、水入れを選ぶ際のポイントやおすすめの水入れなどを紹介していきたいと思う。
水入れが必要な理由
蛇にとって水入れは水を飲む以外にも大切な理由がある。飼育する際には必ず入れておきたいアイテムだ。
湿度を保つことができる
蛇は、種類にもよるけど一定の湿度を保つ必要がある。ケージに温湿度計を設置すると分かるが、特に冬は乾燥しがちで、何も対応しなければ20℃以下になることも。
そんな時に、水入れがとても役に立つ。ケージに陶器タイプの水入れを入れておくだけで、ケージ内を常に一定の湿度に保つことができるからだ。
もちろんそれだけでは足りない時もあるけれど、湿度を上げたいときなどは一度試してほしい。
脱皮を順調に進められる
蛇は、湿度不足になると脱皮不全を起こすことがある。脱皮不全になると自力ではむけず、場合によって体調を壊してしまうこともあるので水入れを入れて湿度を保ってあげることが大切だ。
蛇自身も、脱皮前になるとひょこっと水入れに入りじっとしていることがあるので用意してあげた方がいいかなと思う。
ストレス解消になる
これは個体差があるんだけど、蛇の中には「水入れ大好き!」という特質をもつものがいる。暇さえあれば水入れに入りじっとしている。
こういうタイプの蛇は水入れでリラックスできるので、水入れがないとストレスをためることになる。
蛇の水入れの選び方
蛇の水入れの選び方は、蛇視点と飼い主視点の両方がある。できるだけ蛇に「気持ちいいな」と思ってもらえるようなものを選びたい。
サイズで選ぶ
水入れの選び方で一番大切なのがサイズ。蛇は、とぐろを巻いたときに壁に密着するのが好きなので、ぐるぐるがすっぽりと収まるサイズのものを選ぶことをおすすめしたい。
あと、成体だけではなくケージの大きさも大事で、水入れが大きすぎて(水入れ以外で)蛇が動き回るスペースが狭くならないように注意したいところ。
お迎えしたのが幼体だった場合は、成長に合わせて水入れのサイズも変えていく必要がある。だいたい子供から大人になるまで2回くらい変えることになるはずだ。
わりと重さも大切
水入れを選ぶときサイズの次に大切になるのが重さだ。シシバナヘビなど小さい蛇はそこまで影響はないが、ボールパイソンになると元気がいい子は水入れをひっくり返すことがある。
以前、タッパーを水入れにしていた時、アオダイショウにひっくり返されてペットシーツがべちゃべちゃになった。
ボールパイソンだと重い陶器の水入れ(ウェットシェルター)も、簡単にひっくり返してしまう。この時はどうやら脱走を試みて水入れに体重をかけたせいでこうなったようだ。
メンテナンスしやすいものを選ぶ
飼い主視点からみた選び方としてメンテナンスしやすいかどうかも大事なポイントになる。
デザインがかっこよくても複雑なつくりになていると、水入れの中で糞をされたときに完璧に落とすのが難しくなるからだ。
あと、プラスチックは洗浄は簡単だが、意外と汚れが付きやすいのでこまめに洗ってあげる必要がある。
蛇の水入れおすすめは5つ
蛇の水入れとしておすすめの5つを紹介。どれも一長一短はあるけど人気の水入れだ。
スドー ウェットシェルター
このブログでも登場頻度が高いウェットシェルター。シシバナヘビだったらアダルトサイズまで、ナミヘビやボールパイソンだとイヤリングかそれよりもうちょっと大きくなるくらいまで使用できる。
大人のコーンスネークが水入れに入るとこんな感じになる。
その他、白カビが付きやすいという難点がある。
スドーウェットシェルター極
これも上のシェルターと同じメーカーが作っている。ただ、上のシェルターに比べデザインがかわいらしいので見栄えが良いのがメリットだ。
上の水入れも若干大きく作られている。これも陶器なので定期的な手入れが必要になる。
丸穴空きフタつきタッパー
とてもたくさんの人が使用しているおなじみの丸穴空きフタつきタッパー(自分で名付けた)。
軽くて表面がつるつるしているのでメンテナンスがしやすく、丸穴からひょっこり顔を出すのが可愛いということで使用している人が多い商品だ。
穴が小さいので慣れるのに時間がかかるため、ベビーではなくある程度成長した蛇におすすめする。
TAMAKI ココット ボニー ホワイト
爬虫類の水入れではなく料理皿で恐縮だけど、意外と使えるのがこのココット皿。
ココットはよくある料理皿やボウルとは違い、逆台形ではなくほぼ寸胴型なのがいいところ。しっかり水を入れてあげれば倒れにくい設計だ。100均や食器売り場で購入できるのもいい。
ただ、ココット皿は小さいものが多いのでベビーからイヤリング向けだ。シンプルなデザインならグラタン皿でも代用できる。
よくあるタッパー
爬虫類ショップはシェルターも水入れもアダルトサイズの蛇向けのものがほぼ売っていない。子供の頃はよくても成長するとどれもこれも窮屈になるのが現状だ。
そのため、蛇飼育者が最終的にたどり着くのがよくあるタッパー。上で紹介した丸穴空きフタ付きタッパーのフタなし版だ。
一応、インターネットでも購入できるのでAmazonや楽天のサイトを載せたが、100均でも購入可能。しかも安いので定期的に買い替えやすいのもメリットだ。
軽いのでひっくり返されるのが心配ならガラス素材のタッパーもおすすめ。
見た目に生活感が出てしまうのが唯一のデメリットか。
うちでも100均でタッパーか蛇のサイズに合うそれっぽいものを使っている。
コーンスネークのシンはまに仰向きで寝ている。
蛇の水入れの注意点
最後に水入使用の際の注意点を2つご紹介する。
水入れはカビがつきやすい
水入れは毎日ずっと水が入っているものなので、どうしてもカビが付きやすくなる。
特に陶器やプラスチックの水入れは、蛇の糞が付いたときだけではなくそれ以外でも定期的に洗う必要がある。
あとは、何日かに1回は完全に乾かす日を作ってあげたり、できれば天日干しをしっかりしてあげるとカビが付きにくくなる。
それでもどうしてもついたカビが取れなくなってしまった場合は、買い替えるというのも一つの手だ。(カビキラーなどは使用しない方が無難だ。)
ベビーの場合は溺死にも注意
以前も別の記事で少し書いたけど、水入れの上部が反り返しのようになって出にくい場合、蛇が水入れから出られず溺死してしまうことがある。
水入れの入口が小さいとこういうことが起こりやすいので、上で紹介した丸穴タッパーもベビーのうちは避けるか、浅水にしてあげることをおすすめする。