蛇を飼育するには、餌や水の他にケージやウェットシェルターなどが必要になる。今回は飼育するときに必要な6点セットとそれにかかる費用、蛇を飼育する上でのデメリットについてお話ししたいと思う。(コーンスネーク、ボールパイソン、シシバナ、アオダイショウ共通)
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蛇に必要な飼育セット
蛇を飼育するうえで必要になるアイテム全部で6点。爬虫類ショップにすべて用意されているので成体と一緒に購入することもできる。
ベビーなら飼育ケージは虫かごサイズでOK
蛇はほとんどの場合ベビーサイズで販売されているので、ケージの大きさもそれに合わせて小さいものでOK。
サイズは、縦15×横25×高さ20センチくらいあれば大丈夫。(ボールパイソンになると45×30×20くらいあると安心)ただし、脱走防止のため上の蓋がパチッと音を立てて閉まるものを選ぶ必要がある。
爬虫類専用のレプタイルボックスもおすすめだ。
ボールパイソンだとレプタイルボックスワイドくらいの大きさがいい。
ただし、ボールパイソンは数年したらかなり大きくなるので、初めから60~90㎝幅のケージを購入して、その中にプラスチックケースを入れて、そのプラケの中で飼育するという方法もある。
最終的なケージサイズについては以下の記事でまとめているのでぜひ参考にしていただければと思う。
湿度が維持できる飼育用ウェットシェルター
シェルターは、上の部分に水を入れることができるウェットシェルターというものがおすすめだ。特に、スドーのウェットシェルターは流通量が多くいろんなお店で購入することができる。
S・M・Lがあがってベビーの頃はS(小)がちょうどいいけど、すぐに成長するので最初からMサイズの購入をおすすめする。最近では見た目が可愛く水の浸透率を抑えたウェットシェルター極シリーズが発売されて少しずつ人気が出てきている。
ウェットシェルターではなく、水入れとシェルターを別々に設備することも可能。水入れは蛇がすぐにひっくり返してしまうのである程度重みがあるもをおすすめする。
また、水入れとシェルターを別々にするとその分面積も必要になるので、少し大きめのケージを用意する必要がある。
水入れは直径8センチくらいあれば十分だが、水浴びが好きな個体なら全身が浸かれるくらいのものを用意してあげると喜んでくれる。
飼育用床材
爬虫類ショップにはヤシガラという床材が販売されている。ヤシガラとは、ヤシの実を細かく砕いたもので、肌触りが良く蛇の体を傷つける心配がない。その他、消臭力、通気性、保湿性がいいという特徴がある。
ただ、ヤシガラは自然なものなので、中に小さなクモやらゴキブリやらが混入していることが時々ある。上の商品は比較的虫混入率が低い商品だ。(それでもたまに口コミに悪く書かれてるけど)
シシバナヘビは砂の中に潜る習性があるので、サンド系の床材を入れてあげると喜ぶ。ウォールナッツサンドは乾燥タイプで粒も大きいため、シシバナヘビにピッタリだ。
あとは、新聞紙やキッチンペーパー、ペットシーツなども床材として使用可能。
飼育に適切なケージ内温度を確保できる保温器具
保温器具で必ず必要になるのがパネルヒーター。過去にハムスターなど飼育したことがある人は知っているかもしれないけど、ケージの下に敷いておくだけで保温できる便利なグッズだ。
外気温が30度を超えるような真夏には必要ないが、それ以外では常に設備してあげる必要がある。みどり商会のピタリ適温プラスという商品がコスパが良くて有名だ。
ケージ底の3分の1~半分程度に設置するのがいい。ベビーだとサイズは1号でちょうどいいけどいずれ成長してケージも大きくなるので2号はあった方がいいかな。
その他、寒い地域では暖突も必要になる。暖突とは、飼育ケージの天井に取り付けて使用するタイプの保温器具になる。パネルヒーターよりケージの中を広範囲で温めることができる。
ケージが45センチサイズだと暖突S、60センチだとダントツMが適応する。冬に違づくにつれて在庫が少なくなるのでできるだけ早い時期に準備してあげた方が安心だ。
飼育用温湿度計
温湿度計は、爬虫類ショップでも買える。置き型タイプもいいが、吸盤で張り付けられるもの方が場所をとらないので見た目がすっきりする。
部屋に温度計があったとしても、ケージ内の温度とは差が出るので、ケージごとに用意したほうがいい。うちで使っているのはハクバのシリーズ。レトロな感じが気に入っている。
安いものだと家電量販店などで500円くらいで売っている。デジタルのものよりアナログの方が水に強いのでケージ掃除や霧吹を称するときなど便利だ。
餌やりに使うピンセット
ピンセットは、蛇に餌をあげるときに使う。金属製のピンセットだと蛇の口まわりが傷つくことがあるので、できれば木製のものを使った方がいいかなと思う。
割りばしの代用も可。直接素手で与えるのは、間違って噛みつかれることがあるのでおすすめしない。
飼育セットをそろえたときにかかる初期費用
上でご紹介した飼育セットをそろえたときにかかる費用を表にまとめてみた。
飼育設備 | 価格 |
---|---|
飼育ケージ | 500~4,099円 |
シェルター | 630~3,536円 |
床材 | 100~999円 |
保温器具 | 2,009円 |
温湿度計 | 644円 |
ピンセット | 448円 |
合計 | 4,331~11,735円 |
蛇を飼育するために必要な初期費用は、(成体なしで)ざっくりと4,300~12,000円ほど。(ボールパイソンは6,000~14,000円)すべてAmazon価格なのでショップで購入するともう少し安くなることもある。餌のピンクマウスを含めると、20匹約1,200円なので5,500~13,200円くらいになる。
ケージは、(夏の時期限定だけど)ダイソーなどの100均に行くと500円で虫かごを購入できる。床材のペットシーツやキッチンペーパーも100均で購入可能。
もし、個体と餌も含めた初期費用の総額を最小限で抑えようと思うのであれば、コーンもボールもシシバナもノーマルを選ぶと8,000円くらいなので、合計13,000~14,000円程度に抑えることができる。(アオダイショウはもう3,000円ほど安くなる。)
とはいっても、頑張ってこの金額なので、一般的に考えると成体20,000~30,000円くらい+初期費用と餌代あわせて、30,000~40,000円くらいかかると見ておいた方が安心だ。
蛇飼育初心者におすすめの蛇の種類
蛇には飼育しやすい種類とそうじゃない種類がいる。初めてヘビを飼育するという人のために、どんな蛇が飼いやすいのかその種類と理由をご紹介する。
コーンスネーク
生息地 | アメリカ |
サイズ | 90~140cm |
寿命 | 12~15年 |
蛇の中で一番飼育をしやすいといわれているのがコーンスネーク。爬虫類ショップの中でも取扱数が多く、赤、白、黄色、いろんな柄から選ぶことができる。
穏やかな性格の個体が多く、初心者でも安心して飼育できる。デメリットは思いつかなかったので、あえて「飼育者が多い」ことをあげてみた。
滅多にいないけど、たまに蛇飼育上級者に「コーンスネーク飼育とはまだまだだね」と下に見られることがある(笑)
ボールパイソン
生息地 | 西アフリカおよび中央アフリカ |
サイズ | 100~150cm |
寿命 | 15~20年 |
コーンスネークの次におすすめなのがボールパイソンという種類の蛇だ。コーンスネーク以上におとなしい個体が多いが、噛まれると痛いというデメリットもある。
餌を与えたり温度管理をしたりなどの飼育についてはアオダイショウの方が簡単だが、アオダイショウは爬虫類ショップでの取扱数がとても少ないので、トータル的にみてボールパイソンを2位にした。
アオダイショウ
生息地 | 日本のほとんどの地域 |
サイズ | 体長140~200cm |
寿命 | 約20年 |
飼育しやすい蛇第3位はアオダイショウ。日本でおなじみの青くて細長い蛇だ。
日本の高い湿度と温度に慣れていることもあり、ケージ内での温湿度管理は割と楽だ。
ただ、コーンスネークやボールパイソンのように常時ショップで販売されているわけではないので、欲しいと思ってもすぐ手に入らないというデメリットがある。
セイブシシバナヘビ
生息地 | アメリカ |
サイズ | 体長 50~90cm |
寿命 | 約15年 |
おすすめしようか悩んだけど、人気があるのでセイブシシバナヘビも。上でご紹介した3種類よりもサイズが小さく体長は50~90cmくらい。
鼻がつぶれていてとても愛くるしい見た目をしているが、毒蛇である。
初心者の人の多くは毒蛇を怖がるので、ちょっとでも不安がある人は避けた方がいいかなと思う。
動き自体は遅いのでこちらが気を付けていれば噛まれることはないが、万が一指などを噛まれると肩の方まで腕が変色してしまうことがある。(もちろん、すぐに離せばちょっとした傷跡で済むこともあるが。。)
蛇に与える餌
蛇に与える餌はほとんどの場合、冷凍マウスになる。その他、うずらのヒナだったりうずらの卵だったり、小さな魚ということもある。
おすすめでご紹介した4種類はすべて基本の餌は冷凍マウスだ。
爬虫類ショップなどでまとめて購入して冷凍保存する必要があるので、ネズミ嫌いの同居人がいないかどうか事前に確認することをおすすめする。
ちなみに、亀やヤモリのような人工餌は一般的に販売されていない。
蛇を飼育するのに許可は必要?
蛇の中でも動物愛護管理法で特定動物に指定されているものは、飼育のための許可が必要になる。
ただそのすべてが大型の蛇であるため、コーンスネークやボールパイソンなどの初心者が飼育する種類には許可は必要ない。
蛇を飼育するデメリット(難しいところ)
蛇を飼育するうえで考えられるデメリットを6つ紹介。これらすべてをクリアできるならあなたもすぐに蛇飼育者になれるぞ(๑>◡<๑)
飼育セットを含めた初期費用がかかる
まずは今までお話しした初期費用のこと。頑張って14,000円くらい、通常30,000~40,000円くらい全部合わせてかかることになる。アオダイショウとか5,000円出せば購入できるへびもいるけど、コーンスネークやボールパイソン、シシバナはやはりちょっと売値が高くなる。
外国産のヘビの中ではコーンスネークは安いほうだよ。
電気代がかかる
これは住む地域によってかなり違ってくるけど、特に寒い地域に住んでいる人にとっては痛い問題かもしれない。
エアコン24時間つけっぱなしの期間が長くなったり、パネルヒーターだけでは足りず暖突を使用したりと、電気代が高くなることが考えられる。
ちなみにうちの場合は一番電気代が高くなる2月で19,000円になる。
温度湿度管理が必要
蛇を飼育するうえで温度と湿度管理はある程度必要になる。温度は24~32℃、湿度50%以上くらい。
特にボールパイソンは温度湿度に敏感なので、暑がりさんで「部屋の温度は20度じゃないと嫌」って人には向かない種類になる。
狂暴な個体と出くわすことがある
コーンスネーク、ボールパイソン、シシバナ、アオダイショウは比較的おとなしい性格と言われているが、個体によっては狂暴な性格のものもいる。
成長するにつれて穏やかになる傾向はあるが、そうでなければその性格に一生ついていかなければいけないことになる。
そういうことを防ぐためにも、爬虫類ショップでは事前にハンドリングさせてもらうことをおすすめする。
人間に懐かない
また、蛇は人間に懐く動物ではないので、犬猫の性格を期待している人にとっては物足りないと感じることもあると思う。さらに、耳が聞こえないので呼んだら来るというタイプでもない。
ただ、手によってきて舌をチロチロしてくれる個体もいるのでそれを見ていると癒されることがしばしばある。(個人的な意見だが。。)
病気を診てもらえる病院が少ない
犬猫の動物病院に比べると爬虫類ショップはかなり少ない。「犬猫以外の小動物も診ます」と載っていても「蛇は対象外なので」と言われることもある。
また、蛇を診てくれるところがあっても専門ではないことがほとんどなので、診てもらっても「何が悪いかわかりませんね」で終わることも。
病院があるだけまだいいんだけど、これが地方になるともっと厳しくて、車で3時間以上かかることもあったりする。友人でもそれが理由で困ってる人がいた。結局彼は、病気が治るまで病院の近くで生活することにしてたけど、とても大変そうだった。
できれば蛇を購入する前にどこに病院があるのかチェックしておくことおすすめする。ペットショップによっては、「蛇を診てもらえる病院一覧」を作ってくれているところもある。
テレビでの扱われ方に心が痛むようになる
これは、私個人的に思うことなんだけど、一般的には蛇はやっぱり悪者なので扱いがひどいときがある。
バラエティなどで芸人さんが子供の頃に蛇をいじめたとか武勇伝で語るのを見ると悲しい気持ちになったり。蛇が登場するとタレントさんが「気持ちわる~い」と叫んだり。
私も昔は「蛇なんて無理」って性格だったので人のことはいけないんだけど。今では蛇だけではなく、魚とか昆虫とかも悪く扱われると心が痛むようになってきたほどだ。
蛇好きは少数派なのでテレビではなく実生活でもこういうシーンに遭遇することがあるので心構えが必要だ。