蛇を飼育する期間が長くなると、いつもと違う様子を目撃することが多くなる。あくびや変顔なら「かわいいな」で済ませられるけど、時々「大丈夫か!?」と心配になるような表情を見せることもあってひやひやさせられることの繰り返し。
すぐに解決できないと「これは病気ではないか」「病院に連れて行った方がいいのではないか」と悩んだり。。。
ここでは、「病院の予約はしたけどまだ日にちがある」「病院に行くほどのことではないけど気になる」という蛇の症状で悩んでいる飼い主さんのために、飼育下の蛇によくある病気とその症状、対策などをまとめた。
ちょっとでももやもやが晴れればいいなと思う。
蛇ががかかりやすい病気とその症状
コーンスネークを中心に蛇かかりやすい病気の原因や症状をまとめた。
脱皮不全
パイソン系のヘビに多い脱皮不全。脱皮不全とはその名の通り脱皮がちゃんとできず、目の周りや尻尾の先に抜け殻がついたままの状態になっていしまっていることを言う。
もし、脱皮殻がついた状態のまま放置してしまうと、だんだんとその部分がカピカピになり最終的に壊死してしまう。1回や2回の脱皮で壊死することは少ないが、3回、4回と失敗すると確率は上がる。
脱皮不全の症状は見ればすぐにわかるので、飼い主としては脱皮後のチェックは欠かさず行ってほしい。特に殻が残りやすい目の周りと尻尾の先は要注意だ。
もし殻が残っていたらぬるま湯につけながら指先で優しく剥いてあげるときれいにとれる。
脱皮不全のいちばんの予防策は湿度を保ってあげること。それから、脱皮がしやすいようにシェルターや岩、流木などを入れてあげるのも効果的だ。
マウスロット
マウスロットとは、人間でいうところの口内炎のことだ。初期症状としては、唾液がネバネバになるところから。そして、歯茎や口の中に膿がたまって、最終的には口が閉じられない状態にまでなってしまう。
出来れば飼い主はこの状態になる前に見つけてほしいところ。餌をあげるときによだれが多く出たりネバネバしてたりしたら、口の中をチェックしてあげることをおすすめする。
コーンの頭を固定したまま、プラスチックの細い棒のようなものを口に当てて押し込むと口を開けてくれる。
もし、口内炎ができているようであれば、自然治癒は難しいので病院で診てもらうことになる。放置すると、餌を受け付けなくなり最悪死んでしまうこともあるのでできるだけ早い処置が必要だ。
マウスロットは、不衛生な環境で飼育するとなりやすいといわれている。水の取り換えや糞尿の掃除はしっかりと行うことが大切になる。
一方で、ヘビにも自己免疫力があり、初期症状であれば自然治癒することもある。しかし、ストレスや栄養不足など何らかの理由で免疫力が低下しているときには症状が進行しやすくなるので対策が必要だ。
皮膚炎(皮膚病)
蛇も人間と同じように皮膚病を起こすことがある。ただ、人間ほど目立ちやすくはなく、飼い主が気づいたときには症状がかなり進んでいるということも少なくない。
原因は、マウスロット同様不衛生な環境での飼育などであり、細菌や真菌により皮膚が炎症を起こすようになる。
皮膚病の具体的な症状は、皮膚の変色、ニキビや吹き出物のようなものができたりする。あるいは、水泡状のものが現れたりもする。
部分的なもであれば抗生物質の投与などで回復することもあるが、全身に症状が出ている場合は真菌の繁殖が全身に広がっていることも考えられ、治療が難しくなる(感染症が内蔵まで進み敗血症を起こすと最悪死に至るケースがある。)
蛇の皮膚病は病気の中でも特に早期発見が大事だといえる。
目の病気
コーンスネークで時々あるのが、ポップアイという目が飛び出した症状になる病気だ。この症状はすぐに落ち着くが、もし何日経っても元に戻らない場合は、感染症も考えられるので獣医に診てもらう必要がある。
あとは、脱皮不全で殻がついたままになり白く変色することもあるので、その場合はぬるま湯につけて優しく取ってあげることで解決する。
呼吸器疾患
部屋が乾燥した状態が続くと、呼吸器疾患を起こすことがある。症状は、よだれ、くしゃみ、荒い鼻息、しゃっくりなど。長時間口を開けた状態でいることもある。ケージに謎の液体がついていた時はよだれの可能性が高い。
コーンスネークよりはボールパイソンの方がよく起こす病気で、ボールの場合は「上を向いたまま固まる」というのが主な症状だ。ヘビは苦しいとき上を向いた状態でいると楽になるらしい。
この症状はコーンではあまり見られないが、もし同じような症状よくするという場合には、呼吸器疾患を疑ったほうがいいかもしれない。
最初は軽い症状でも症状が進み、肺炎を引き起こすと死に至ることがある。
胃腸・肝臓・腎臓など内臓の病気
コーンスネークは内臓機能が低下すると、下痢や緑色の糞をすることがある。その時だけたまたまうまく消化できずに変わった糞をしただけなら問題はないけど、それが続くようなら注意が必要だ。
特に尿酸だけではなく糞まで緑色になると重病を患っている可能性もある。脅かすわけではないけど、緑色の糞をした後に亡くなってしまったという話も時々聞こえてくる。
コーンスネークの消化吸収については、「コーンスネークが餌を消化する時間と消化不良を起こした時の対処法」でまとめているので一緒に読んでもらうと分かりやすいかもしれない。
どんな病気でも症状が続くのであれば病院へ
コーンスネークがかかりやすい病気を書いてきたけど、これら以外にも脂質異常や卵詰まりなど(厳密にいえば病気ではない)いろいろな病気がある。そして、症状もまちまちだ。
なので、もし飼育しているコーンがいつもと違う症状を見せたら、じっくりと観察してほしい。そして、その症状が続くようであれば病院で診てもらうことを強くおすすめする。
出来れば爬虫類に詳しい先生がいる病院がいいけど、なければエキゾチック専門医院でもいい。特に今の時期は、すぐに予約できないところもあるので、できるだけ早い行動をしたいところだ。
もし、近所に爬虫類病院がない場合は、オンライン相談を受けてくれるところもあるので、ネット環境があればぜひ利用してみてほしい。時間外でも対応してくれる病院もある。