たまに見かける蛇の多頭飼い。同じシェルターから同じ顔が何匹も出てくる様子はとてもかわいく思える。
しかしながら、実際は同じケージに複数蛇を入れると良くないことが多い。
今回はその理由など蛇の多頭飼いについてまとめたいと思う。
蛇の多頭飼いはアリかナシか その理由
単刀直入に言うと蛇は複数飼育に向いていない。なので、複数飼育したい場合はそれぞれケージを用意してあげる必要がある。
蛇はもともと単独で生きている
田舎だと散歩中に蛇を見かけることがあるが、ほとんどの場合1匹でにょろにょろしている。(2匹くっついているときはだいたい交尾中)
また、蛇は子育てをしないのでカンガルーやカルガモのように親と子供がくっついて出かけることもない。
爬虫類で言うと一部トカゲなんかでは子供を守ることもあるようだけど、蛇に限ってはそんなことはなく社会性に乏しい。
そんな蛇たちを一緒のケージに入れるとどうなるか。
程度の大きさはあるが、ストレスがたまることになる。ストレスがたまるとごはんを食べなくなったり、お腹の調子が悪くなったりするので厄介だ。
もしどんな感じか見てみたいなら、一度複数の蛇を同じケージに入れて見るといい。
身構えたり硬直したり震えだしたり、何か様子が変になるので。
中には全く気にせず他の蛇に糞をかけるような子もいるけど(笑)
からだで押しつぶすことがある
だいたい同じサイズの個体を同居させる分にはあまり関係ないことだけど、サイズが全く違う蛇を一緒にすると大きいほうが、小さいほうを押しつぶしてしまうことがある。
あるいは、逆に小さいほうがびっくりして攻撃的になることも。
ボールパイソンは個体によって敵だとみなした相手の上に乗って押しつぶす攻撃をすることもあるようだ。
共食いをすることがある
コーンスネークやボールパイソンではあまり聞かないが、蛇の種類によっては共食いをすることがある。
よく言われているのはキングスネークやキングコブラなど。出会ったら必ず「あ、あいつ食べよ~」という風に積極的に行くわけじゃないけど、空腹だったり喧嘩したりタイミングが合えば共食いをする。
あとは、たまにYouTubeでも見るけど、シマヘビやヤマカガシ、アカマタなど食性の幅が広い種類は稀に共食いをすることがある。
健康状態をチェックできない
複数の蛇を同居させると、糞をしたときに誰のものか分からなくなるのもデメリットの一つだ。
健康的な糞ならいいけど下痢をしていたり緑がかっていると、「病院に連れていきたいけど誰の糞?」となる。
その都度ケージを別々にして次の糞を待つのもいいけど、深刻な病気の時は間に合わないこともあるので、はじめから別々にしていた方が無難だ。
どうしても同居させたいなら
見た目が可愛かったりスペースの問題などでどうしても同居させたい場合には、以下の点に注意して飼育してほしい。
しっかりと観察して専門的な知識を身に着ける
まず、個体それぞれを飼育してどんな性格なのか、ダニなどの病気を持っていないか、温度はどれくらいがベストかなど知っておく必要がある。
獣医とまではいかなくても爬虫類ショップの店員並みの知識は入れておいた方が安心だ。
巨大なケージを用意する
ケージというと60cmや90㎝サイズをイメージしがちだけど、これよりももっと大きなもので飼育するなら多頭飼育も可能だ。
たまに、動物園でもヘビを同居させていることがあるが、あんな感じだ。
飼育員は専門的な知識があるうえで飼育しているので、実際のところは、動物園にあるケージより大きいものを使用した方が安心だ。
あとは自己責任で
一般に蛇の多頭飼い(同居)はダメだといわれているけど、実際にやってみないと分からない部分もかなりある。
実はストレスフリーな個体で「誰かと一緒に住むの全然OKだよ」という場合もあるかもしれないからね。
ときどき、一緒に飼育している飼い主さんもいるのでできないことはないと思う。
ただ、何が起きるかは本当にわからないので、大変なことになったとしてもそれは自己責任ということでお願いしたい。
もし、実験してみた人がいたら教えていただけると嬉しいです(๑•̀ᴗ- )✩